研究概要 |
1.本研究にとりかかるに当たって,現代フェミニズム・ジェンダー論の到達点の整理,日本の戦後60年の女性運動の思想・理論の推移・動向の把握を行い,2005年5月21日開催された唯物論研究協会ジェンダー部会で報告し,「戦後日本の女性運動の思想を問う」と題して同協会年誌第10号(青木書店,2005.9)に論文として発表した. 2.クラーラの理論の出発点となったパリ時代に注目し,「クラーラ・ツェトキーンンの初期女性解放思想」の形成を把握する作業を行った.これは,2005年6月18日にロバアト・オウエン協会の研究集会で招待報告のかたちで報告し,『ロバアト・オウエン協会年報』No.30(2006.3)に論文に収録された. 3.2005年8月25日から9月9日,モスクワの,ソ連崩壊後整備された「ロシア国立政治・社会史アルヒーフ(RGASPI)で,未印刷文献を閲覧し,一部コピーし,クラーラが人生の最後を終えたモスクワ近郊アルハーンゲルスコエのサナトリウムを訪問した. 4.これらの成果は,昭和女子大学女性文化研究所第101回研究会(2005年11月25日)で「クラーラ・ツェトキーンとロシア」と題して報告した(その際,来日中のRGASPI主任研究員Dr.ヴァレーリィ・フォミチェフ氏にRGASPIの国際的役割に関する講演をお願いした).すべての内容は、『昭和女子大学女性文化研究所紀要』No.33(2006.3)研究ノートに,および,女性文化研究所Working Paper No.21(2006.3)に収録した. 5.国内の図書館における検索の手始めとして法政大学大原社会問題研究所図書室と同研究所が主催する展示会,ドイツ連邦共和国大使館と同研究所共催の展示会で,クラーラ・ツェトキーンに関する情報を得た.
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