研究概要 |
1 平成18年度の研究にとりかかるに当たって,現在の世界の女性労働のおかれている状態と国連とくにUNIFEMが提起している理論上の問題を把握し,クラーラ・ツェトキーンが展開する第二インタナショナル期および,コミンテルン期の女性労働論を評価するスタンスとした. 3 新たな調査の場所をドイツに移し,1990年以降新しく整備された,ベルリンの「連邦アルヒーフ」"Stiftung Archiv der Parteien und Massenorganisationen der DDR im Bundesarchiv(SAPMO-DDR)"をネット上で検索し,問題点を絞り込んで,8-9月に2週間程度訪問し,クラーラ・ツェトキーン及び関係者の遺稿を中心に未印刷資料を閲覧した.研究代表者は,DDR時代に何度かこの研究所を訪問しているが,体制から来る制約によって部分的にしか原資料にあたれず,目的を果たせなかったためその点を追求した. 4 ドイツのクラーラの生地や活動の地で,生誕150年を前にクラーラの解釈がどのように異なってきたかを視察した.ベルリンのクラーラ・ツェトキーン・ハウスを訪ね,1990年代以降のクラーラの伝記の評価や,民間のクラーラ研究者が研究会を開いていること等の情報を把握した.また,2007年7月6日に,ベルリンで生誕150周年の集会があることも知った. 5 第2年度の研究成果を,論文にまとめて,裏面ジャーナル,紀要に投稿・発表するほか,女性文化研究所の105回研究会(2007年1月)で報告し,ワーキング・ペーパーに,「クラーラ・ツェトキーン新研究 第2報」としてまとめた.
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