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2008 年度 実績報告書

クラーラ・ツェトキーンの女性解放思想のジェンダー視点からの再考

研究課題

研究課題/領域番号 17510224
研究機関昭和女子大学

研究代表者

伊藤 セツ  昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (60073558)

キーワードクラーラ・ツェトキーン / アウグスト・ベーベル / ローザ・ルクセンブルク / ドイツ / ジェンダー / メンズフェミニズム / 思想史 / 女性解放
研究概要

1.女性解放論の範囲内でも,アウグスト・ベーベルの女性解放論との比較に関しては,USAのLopesとRuthの研究によって,従来の理解と異なる新発見があった.彼らは,ツェトキーンが,ベーベルが退けた労働者階級の女性の家事的なもの(the domestic),特に母としてのこと(the maternal)を,ベーベルより重んじたと指摘している.SPDの1860年代の「男性フェミニスト」ミュラーと,新しく登場したベーベルを両極に置いて,ツエトキーンは,年代的にはベーベルの次に来るものではあるが,理論的にはミュラーとベーベルの融合であるとしている点は従来見られない見解であった.
2.クラーラ・ツェトキーンの政治生活におけるローザ・ルクセンブルクとの比較を試みたが,特に1914年第1次世界大戦の勃発から,ロシア革命,ドイツ革命を経てローザが虐殺される1919年において,運動の中での女性の位置に関するローザの考えに関する変化や,ローザのロシア革命論をめぐるクラーラの批判的見解の相違が注目される.
3.晩年の活動において,KPDとKIのなかでのクラーラ・ツェトキーンの位置を明らかにするという目的は十分に達成されなかった.KPDのなかで主流派と多くの点で意見を異にしながら,終身クラーラガ議員であり続けた理由や,KIにおいてクラーラのスターリンへの批判がどの程度のものであったかを明らかにすることは今後の課題として残された.
4.最終年度の本年度は,クラーラ・ツェトキーン没後75年と重なったので,それを意識した啓発活動(啓発的論評を書き,講演も行った)をしたが,学術的場ではないので次頁リストから省いた.
5.これら,2009年1月末までにおこなった研究を昭和女子大学女性文化研究所WORKING PAPER No.31としてまとめた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] クラーラ・ツェトキーンとローザ・ルクセンブルク2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤セツ
    • 雑誌名

      昭和女子大学女性文化研究所紀要 36

      ページ: 33-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ローザ・ルクセンブルク虐殺90年の春に.2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤セツ
    • 雑誌名

      昭和女子大学学苑 No. 821

      ページ: 157-160

  • [学会発表] ベーベルとツェトキーン-USAのLopesとRuthの研究から-2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤 セツ
    • 学会等名
      女性文化研究所第115回研究会
    • 発表場所
      昭和女子大学学園本部館
    • 年月日
      2009-01-30
  • [図書] Clara Zetkin in ihrer Zeit, Neue Fakten, Erkenntnisse, Wertungen (筆者分担執筆の題はClara Zetkin in ihrer Zeit-fur eine historisch zutreffende Einschatzung ihrer Frauenemazipations-theorie, )2008

    • 著者名/発表者名
      Plener, Ulla (Hrsg. )
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      Dietz Berlin

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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