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2006 年度 実績報告書

コンピュータを介したコミュニケーション論の再構築-ジェンダー分析の新たな展開-

研究課題

研究課題/領域番号 17510225
研究機関日本大学

研究代表者

根村 直美  日本大学, 経済学部, 助教授 (10251696)

キーワードジェンダー / インターネット / 自己の多元性 / ポストモダン哲学 / 情報倫理学
研究概要

平成18年度は、コンピュータを介したコミュニケーションは男女間のヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの実現とそれによる現実世界のジェンダー構造の再編の可能性をもたらすとする議論が、どのような理論的な基盤をもちうるかについての考察をさらに深めた。その際に取り上げたのは、ラディカル・デモクラシーの論者ラクラウとムフの「主体」に関する議論である。「主体」を様々な「主体位置」と捉えるラクラウとムフは、その「主体位置」は、それが不安定で閉じることのない言説によって編成されるものであるがゆえに、完全に分離することはなく、「類比」や「相互浸透」を通じて重層的に決定されるものであるとし、重層的な決定の状況にある「自己」がもつ「意味の余剰」こそが、「抵抗」の可能性を生み出すと論じている。こうしたポストモダンの哲学、および、その倫理学の知見に基づいて、コンピュータを介したコミュニケーションが男女間のヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの実現と現実世界のジェンダー構造の再編の可能性をもたらすことを示唆するジェンダー研究の理論的基盤を洗練させることを試みた。
また、平成18年度は、現在の日本のコンピュータを介したコミュニケーションにおいて、男女間のヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの可能性、および、現実世界の支配的配置の再構成の可能性が現れている局面を探求することも試みた。具体的には、REASというサイトを利用してインターネット上のアンケート調査を実施し、オンライン・ロールプレイイング・ゲームのプレイヤーに、インターネットにおけるジェンダー・スウィチングの経験の有無、および、その経験の現実の自己や生活への影響について尋ねた。3月中に100名を超える回答を得たため、分析を始めたところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Rethinking 'Reality' in Ethics from Gender Perspectives2007

    • 著者名/発表者名
      根村 直美
    • 雑誌名

      倫理学年報(日本倫理学会) 第57号

      ページ: 11-15

  • [雑誌論文] コンピュータを介したコミュニケーション論の倫理学的検討2006

    • 著者名/発表者名
      根村 直美
    • 雑誌名

      研究紀要(日本大学経済学部) 第53巻

      ページ: 41-50

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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