研究課題/領域番号 |
17510226
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
伊藤 陽一 法政大学, 経済学部, 教授 (80061167)
|
研究分担者 |
天野 晴子 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (50299905)
伊藤 純 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (20322456)
斎藤 悦子 岐阜経済大学, 経済学部, 教授 (90298414)
杉橋 やよい お茶の水大学, ジェンダー研究センター, 講師 (60377009)
水野谷 武志 北海学園大学, 経済学部, 講師 (80364230)
|
キーワード | ジェンダー統計 / 無償労働の貨幣評価 / ジェンダー予算 / ジェンダー統計指標 / 自治体ジェンダー統計活動 / 数値目標 / 進捗度評価 / 男女共同参画年次報告書 |
研究概要 |
1.ジェンダー統計(GS:Gender Statistics)理論の深化。国際的、国内的に、新しいジェンダー問題への注目とともに、個別的には必要なGS指標と統計出所さらには統計指数などが検討されてきたが、GS論をジェンダー問題分野あるいは統計学との関連で、より基礎的・包括的に整理することは国際的・国内的に遅れている。この深化への材料として、個別的にはICTとGS(『統計研究参考資料』No.87)、無償労働の貨幣評価論(研究協力者とともに『統計研究参考資料』No.91)、ジェンダー予算論(『統計研究参考資料』No.92予定)、マクロ政策とジェンダー問題等を調べながら、包括的な検討・論議を進めている(『ジェンダー統計部会ニュース』[経済統計学会]連載:「統計指標論とジェンダー関連統計指標」(No.4:2005.4.29)、「GSとは何か(1)」(No.5:2005.9.5)、「GSとは何か(2)」(No:6:2005.12.31)他。 2.日本社会のGS分析。研究分担者全体が関わる形で(伊藤陽一・編集、水野谷[人口、労働力]、杉橋[労働条件、意思決定]、天野[家計と資産]、斎藤[生活時間]、伊藤純[健康・保健]、粕谷[労働力の一部-自営業])、独立行政法人女性教育会館・伊藤編集(2006)『男女共同参画統計ハンドブック 2006』ぎょうせい、の執筆・編集・発行をした。上記各章に、統計の解説(と評価・改善方向)と都道府県表を添えてあるので、全国分析と同時に、地域のジェンダー統計分析の第一歩を用意したことになる。科学研究費プロジェクトは、この作業が、現在の日本のGS発展に不可欠と考えて重点を置き、かなりの時間をこれにとられた。このため、以下の3、4の課題にも着手したが、現地調査・出張をしてのヒアリング等にまでは進まなかった。 3.地方自治体GS活動の検討。地方自治体におけるGSの作成・活用状態を調べるため、GS書の出版状態の調査をまず、都道府県と政令指定都市について行った。しかし、今日、自治体の文献のかなりが既にウエブ上で公開されている。そのため、ウエブサイトに掲載されているGS文献を予め確認するという事前調査に時間をあてて、本調査を相前後させて進めた。5年前と異なって、かなりの都府県で住民男女の状態の統計表示、共同参画計画での数値目標を掲載しつつ毎年その進捗度を評価する男女共同参画年次報告書が提供されている。都道府県の全体状況と、これらGS利・活用の内容の分析・整理、いくつかの典型的地域についての立ち入った分析は、2006年度に持ち込まれる。 4.東アジア・世界のGS。上記、1〜3、特に1、2に重点を置いたため、当初予定したこの分野の作業は部分的進捗にとどまった。秦(研究協力者)による中国の都市失業者のGS分析は成果をあげ、中国のGS活動・論議の全面的把握への足がかりを築いた。この作業では担当者(伊藤、天野、水野谷、杉橋)による文献収集と分担部分の検討が進められている。
|