研究課題
基盤研究(C)
平成19年度は、本研究の最終年度にあたるため、知覚のもつ行為的側面に注目した二つの立場(現象学と生態心理学)のうち、特にE.フッサール、M.ハイデガー、J.J.ギブソンらの知覚論に焦点をあて、その異同を明らかにする作業のまとめを行なった。具体的には、主として以下の二つの研究を行なった。(1)まず、フッサールの現象学とギブソンの生態心理学において、〈知覚の行為性〉を強調する概念である「キネステーゼシステム」と「知覚システム」の由来を分析し、その類似性と差異性の検証を行なった。その成果は論文「フッサールとギブソン-知覚の行為性をめぐって-」として発表された。(2)次に、反表象主義という点で類似が指摘されることの多い、ハイデガーの現存在分析とギブソンの生態心理学の比較を行ない、〈知覚の行為性〉との類縁性が見られる「抑止解除の輪」と「知覚システム」という概念を分析した。その際、J.ミュラーの「特殊神経エネルギー説」を参照軸として、その表面上の類似の背後に隠されている知覚理解の対立を明らかにする作業を行なった。その成果は論文「ハイデガーとギブソン-生態学的観点から見た知覚の構造-」として発表された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Dictionary of Applied Ethics (Kato, H. (eds.)), (Maruzen)
ページ: 300-301, 304-305
思索 第40号
ページ: 81-111
現象学年報 第23号
ページ: 157-164
SHISAKU (Speculation) No. 40
ページ: 88-111
GENSHOGAKU NENPO (Annual Review of the Phenomenological Association of Japan) No. 23