研究課題/領域番号 |
17520006
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山内 志朗 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30210321)
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研究分担者 |
細田 あや子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (00323949)
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キーワード | ビンゲンのヒルデガルト / 表象 / 西洋中世 / スコラ哲学 / 天使 / トマス・アクィナス / フランシスコ会 / 無限と有限 |
研究概要 |
研究代表者である山内と分担者である細田は、月に2回定期的に学生を交えながら、研究を行ってきた。ビンゲンのヒルデガルトのテキスト、および表象について、当時のスコラ哲学の概念分析を交えながら、その思想の枠組みを取り出すことを両者の協力の下に御行った。 この研究会においては、科研費の費用で収集できた文献の読解も行うことができ、極めて多くの有益な知見を得ることができた。 また思想と表象の関連を研究するにはテキストの表現される思想だけではなく、絵画・彫像・建築に表現されたものも実見する必要があり、細田が8月にイタリアのウンブリア、トスカナ地方の教会・修道院を中心に調査を行い、また3月にもスペイン何部において教会・修道院を中心に調査を行った。特にビンゲンのヒルデガルトに関連する図像表象について多くの知見を得ることができた。 その研究成果は、細田が編者として2巻の論文集にまとめつつある。現在上巻が刊行され、現在両者の論文が収録される下巻の編集が進行中である。3月末までに間に合わなかったのが残念である。内容は、哲学的・神学的思想内容を図像化などを通して表象にもたらすことが、中世キリスト教にとっていかなる意味を有したかを解明するものとなる。 また、山内は、中世における思想と表象に関する紹介を含む単行本『笑いと哲学の微妙な関係』(哲学書房)を刊行した。
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