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2006 年度 実績報告書

日本における超越観念の深層構造に関する倫理学的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520017
研究機関山口大学

研究代表者

豊澤 一  山口大学, 人文学部, 教授 (10155591)

研究分担者 上原 雅文  東亜大学, 総合人間・文化学部, 教授 (30330723)
柏木 寧子  山口大学, 人文学部, 助教授 (00263624)
キーワード仏 / 菩薩 / 景観 / 神仏習合 / 天 / 超越観念 / 神儒仏一致
研究概要

上原は、昨年度まで行ってきた最澄と空海の教説における神仏関係の原理を総括した。また天とのつながりを睨みつつ、山王神道・両部神道における神仏習合理論についても原理的な観点からの考察を進めた。<景観>研究では、比叡山と高野山のみならず、広く参詣曼茶羅や社頭図・古絵図を題材にして、神仏に関わる<景観>を考察し、神仏関係の空間的関係の原理を考察した。神に関わる聖地の景観には(遠心性と求心性)という矛盾する心的作用の外化構造が見られたが、寺院が配置されることによってどのようにその構造が変化していったのかを解明しつつある。
柏木は、仏という超越観念の物語的理解、すなわち、輪廻生存という時間的存在様態の終極かつ超越として位置づけられるところの仏観念をめぐる思想の解明に、引き続き取り組んだ。本年度はとくに、仏への過程から一見すると逸脱したかに見える非生物、すなわち鉱物もまた、それ自体仏への途上存在にして菩薩の教化対象であると見る中世思想の一様相について、謡曲「姨捨」に即し具体的に考察した。
豊澤は、室町時代末期から近世初期にかけての天の観念を、『仮名性理』『本佐録』『甲陽軍鑑』等を素材に、摸索した。その結果、この時期の天の超越性は、儒学的(あるいは朱子学的)であるばかりではなく、神仏の強力な磁場のうちにあって、色濃い影響を受けていることが、今更のように、明らかになりつつある。こうした神儒仏一致の混淆的な天観念こそ一般的であったし、且つまた後世にも影響を及ぼした、と言ってよい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 方法としての「信」-疑問・批判の根底(一)2007

    • 著者名/発表者名
      豊澤 一
    • 雑誌名

      山口大学哲学研究 14

      ページ: 1-15

  • [雑誌論文] 石と化してあること-謡曲「姥捨」の一読解-2007

    • 著者名/発表者名
      柏木 寧子
    • 雑誌名

      山口大学哲学研究 14

      ページ: 1-22

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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