研究課題
基盤研究(C)
初年度である平成17年度は、「専門職の特徴」を中心的に検討して研究を進めた。そのためにまず、社会学を中心として展開されてきた「専門職」に関する文献を検討し、「専門職」とはどのような職業と考えられるべきかについて吟味した。専門職の歴史から見ると、いわゆる「地位専門職」から「職業専門職」への転換は大きな意味を持っている。二年目である平成18年度は、「技術専門職と医療専門職」についての考察を中心に進めた。しかし、そもそも一般に語られているほど、「門職」の定義自体がそう明確ではない。そうした事情に呼応するように、これから専門職化を進めようとしている技術士や看護師は、社会的な認知が進まないというジレンマに巻き込まれている。最終年度である平成19年度は、以下の二つの問題軸を立てて検討を進めた。第一は、「専門職」の「社会的地位」とその根拠についてである。具体的には、近代イギリスの医療専門職の展開状況を、カー・ソーンダースらの研究を初めとする社会学的アプローチと、パーキ.ンらを初めとする歴史学的なアプローチの両方から検討した。また第二は、専門職の自律性という点の考察である。医師の自律性とは、1.医師が治療方針などを選択する自由、2.法律や道徳、集団的な自主規制に従う規範的態度として理解できる。『本研究全体を通しては、「専門職倫理の道徳的基礎づけ」について考察するために、「専門職の特徴」、「専門職と準専門職」、「専門職化をめぐる諸問題」、「専門耳の自律性」、「専門職の社会的地位」などについての検討を行い、専門職倫理が、社会的一道徳的関係性の中で意味づけられ、社会的に承認されているという点を明らかにした。
すべて 2008 2007 2005
すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (8件)
(Kyoto, Nakanishiya Shuppan) 175
ページ: 32-59
(Tokyo, Rikoutosho) 158
ページ: 42-49, 77-92
Fukuoka, Kyushudaigaku Shuppankai 311
ページ: 213-235
Kyoto Koyou Shobou 318
ページ: 189-220
(Fukuoka, Kyushudaigaku Shuppankai) 235
ページ: 173-194
(Amsterdam, Elsevier) 235
ページ: 253-273
Tokyo, Iwanami Shoten 300
ページ: 209-241