初年度の平成17年度には、研究会2回、全員参加による文献調査行を2回持った。ともに研究会と文献調査行とは連動している。第1回の研究会は、平成17年6月4日、大阪市立大学で開催し、翌日、彦根博物館の琴堂文庫を調査した。2回目は同年12月22日から28日まで、沖縄で行った。研究会は浦添市立図書館で行い、調査は浦添市立図書館、石垣市立図書館、八重山博物館で行った。 第2年度(最終年度)の平成18年度は、主力を研究報告書の作成に傾注した。4月に入ると、まず代表者の三浦が本年度の日程表と報告書の構成を提示し、これに沿って報告書を作成するよう要請した。役割分担は、三浦=暦書・通書、山里=沖縄の術数書全体、宮崎=風水書、益子(研究協力者)=易占書である。研究報告書は個々の書籍(文献)の解題を主とするが、それだけでなく、当該ジャンルの全体的な解説を付すことは、すでに初年度に確認済みである。かくして、書籍(文献)の選擇→その解題→各ジャンルの解説論文→総説(三浦執筆)という順に作業に入った。解題が出来上がるごとにメールを活用して互いに批評しあった。作業は順調に進み、メンバーの担当分が出揃った段階で三浦がそれらを踏まえ総説を書いて原稿は完成した。なお、18年度は、益子を除くメンバーで中国(福建省四堡・安徽省屯渓)に赴き、術数文献の調査と収集を行った。
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