研究課題
基盤研究(C)
当該研究期間に行った研究の成果をまとめた研究報告書は3部構成となっている。第1部はパンニャーサ・ジャータカ編として、昨年度までにローマ字転写を公表した第19話〜第21話に対し、テキスト校訂および翻訳を行った。東南アジアの文献で用いられているパーリ語は「標準的」なものとは言い難く、そのこともあって、世界的に見ても未だテキストの校訂方針すら確立されていない。今回の研究により東南アジア撰述のパーリ語文献のテキスト校訂のためのひな形を提示できたと考える。直接的なテキスト研究以外にも、校訂した3話の内容や背景を紹介して東南アジア撰述仏典研究の意義を明確にした論考、現在利用できる計6本のパンニャーサ・ジャータカ写本の内容目次、これまでの日本におけるパンニャーサジャータカ研究文献目録を収録し、今後の当該文献の研究に資する成果をあげることができた。第2部はプラ・マーライ写本研究編である。日本の各地に所蔵されている計6本の写本に関し基礎資料を収集しその書誌情報をまとめた。さらに写本前半のパーリ三蔵抄録部分に関しては、ローマ字転写を行って分析を進め、また、写本挿絵の図像学的分析も行った。さらに、タイ語で記されたコロフォンが存在している場合には和訳を行った。これによって従来全く等閑視されてきたタイの仏教写本研究に新局面を開くことができたと考える。第3部はその他の資料を提示したが、写真挿絵、寺院壁画などを資料とした学会発表の資料も収録しており、文献研究と合わせたフィールド調査の重要性を示すことができた。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) 図書 (3件)
アジア民族造形学会誌 8(印刷中)
Journal of the school of Letters, Nagoya University 3
ページ: 1-23
Journal of the School ofLetters, Nagoya University 3
An of Buddhism in Pan-Asia. (Professor Akira Miyaji's Felicitation Volume) Tokyo : Chuokoron Bijutsu-shuppan
ページ: 172-195
Nagoya Studies in Indian Culture and Buddhism: Sambhasa 25
ページ: 1-13
Nagoya Studies in Indian Culture and Sadhana Buddhism : Sa□bha□a 25
Buddhism and Jainism : Essays in Honour of Dr. Hojun Nagasaki on His Seventieth Birthday
ページ: 331-356
Professor Yoritomi Motohiro's Felicitation the Volume : The Mandala of Various Articles, Vali, "Garbhadhatu." Kyoto : Hozokan
ページ: 185-203
Journal of the Asian Ethno-Fonns Society 8 (forthcoming)
Journal of theAsian Ethno-Fonns Society 8 (forthcoming)