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2005 年度 実績報告書

グプタ朝期におけるアビダルマ教学とヴァスバンドゥの教義解釈研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520052
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高野山大学

研究代表者

室寺 義仁  高野山大学, 文学部, 教授 (00190942)

キーワード仏教学 / 印度哲学
研究概要

本研究代表者は、すでに「経部-初期Sautrantika-」と題する論考を公表し(『高野山大学論叢』第39巻、2004年2月、pp.1-24)、近時の「経量部(Sautrantika)」研究に対し、新たな観点から根本的な問いかけを行った。その本格的研究として、平成17年の初年度、ヴァスバンドゥ(ca.400)の主著たる『阿毘達磨倶舎論』に表れる「経部」〔真諦・玄奘に共通する漢訳語。一方、「経量部」の語は荻原雲来に始まる和訳語〕の人々が主張する17のテーマに関する見解について、加藤純章(『経量部の研究』春秋社1988年)が検証した、サンガバドラ(ヴァスバンドゥと同世代の後輩)作『順正理論』との比較考察を踏まえ、先行研究では十分には検討されて来なかった、漢訳だけで伝わるアビダルマ教学の論である『毘婆沙』3本(大正Nos.1545-1547)との比較吟味を主として行った。そして、その成果の一部を、「経からの逸脱」(‘utsutra')との用語は、「論」ではなく「経」(ここでは、ブッダの言葉のサンスクリット伝承)を教義解釈のための価値判断尺度として立てる時、少なくともヴァスバンドゥにとっては、いかなる語義を有した用語として使用されているのか、との問題構想の許に、「『阿毘達磨倶舎論』における‘utsutra'」(『印度學佛教學研究』第54巻第2号、2006年3月、pp.(155)-(159))と題して公にすることが出来た。
また、代表的大乗経典である『華厳経』「十地品」に対する唯一の論、ヴァスバンドゥ作『十地経論』における「金鉱石の比楡」解釈について分析を行った成果の一部を、『望月海淑博士喜寿記念論集』に寄稿した(ただし、現在のところ未刊行)。
なお、本研究遂行の一環として、京都大学人文科学研究所における「真諦研究」の研究班研究集会に参加でき、5・6世紀の中国仏教界へのインド仏教教義の伝播と受容の過程について多くを学び得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『阿毘達磨倶舎論』における‘utsutra'2006

    • 著者名/発表者名
      室寺 義仁
    • 雑誌名

      印度學佛教學研究 54卷・2号

      ページ: (155)-(159)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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