平成17年度の科学研究費助成金基盤研究(C)の交付により、本課題の研究展開のために、以下のように基礎的作業としての史料文献の調査収集、整理または諸研究会の参加および研究集会の開催などの活動を行いました。まず、『天学書函』(総6冊)、『天主教東伝文献』(総11冊)および耶蘇会羅馬档案館『明清天主教文献』(総12冊)など本課題研究のための基礎的文献が研究室に常備されるようになりました。それから、参加した関係学会または研究会は主として以下の幾つかがあります。(1)6^<th>ISHME(第六回漢字文化圏における数学史、数学教育国際シンポジウム、2005年8月4〜7日、東京大学大学院数理研究科、駒場)、(2)「歴史と記憶」国際シンポジウム(マカオ利氏学社主催、2005年12月1〜3日、マカオ旅遊学院啓思楼)、(3)漢字訳語と漢字文化圏諸言語の近代語彙の形成(韓国高麗大学言語情報研究所・漢字文化圏近代語研究会共催、2006年3月18日、高麗大学)。なお、上述の学会参加の傍ら、マカオ利氏学社、香港中文大学、高麗大学校、ソウル大学校および韓国国立中央図書館で初歩的な文献史料の調査を行い、今後の本格的な調査研究のために、多くの重要な手がかりや文献資料を得ました。さらに、2005年10月28日、在職する弘前大学にて、本校の学術国際振興基金の研究助成もあって、「歴史・言語・思想-明清交替期(16^<th>〜17^<th>)の東アジアと西洋との遭遇」と題する国際研究集会を開催し、当研究集会で「歴史と翻訳-漢訳西洋書の成立とその思想史上の意義」と題する研究発表を行いました。
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