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2007 年度 実績報告書

中世修道院建築の参事会室・修道女席における絵画図像の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520075
研究機関北海道大学

研究代表者

谷古宇 尚  北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60322872)

キーワード中世美術史 / フランシスコ会 / 女子修道院 / 描き直し / 神秘の結婚 / 慈悲の業 / ナポリ / 女性の霊性
研究概要

(1)ナポリのサンタ・キアーラ修道院に描かれた14〜18世紀のフレスコ画の調査を行った。現状の調査,またナポリの文化財監督局に残される修復記録や写真資料の検討により,14〜15世紀に描かれたオリジナルの壁画は,元々の図像や構図を踏まえながら18世紀にいたるまで繰り返し描き直されていたことを立証した。これにより,サンタ・キアーラ創建時の絵画図像プログラムと,その背景にある思想を明らかにした。また,中世の聖なる画像の近代における「描き直し」の具体的な例を示すことができた。この研究の成果は,第58回美学会全国大会で発表した。
(2)ナポリのドンナレジーナ聖堂の修道女席の「聖カタリナ伝」連作には,「神秘の結婚」の場面が欠けている。ドンナレジーナの壁画が制作されたのは,この図像の生成期に当たり,試行錯誤を示すいくつかの作例が知られている。これらを検討することにより,同修道女席では注文主の事情を反映して,神の栄光の賛美に結びつく世俗の結婚を重視した図像プログラムが考案されたという結論を得た。
(3)同じくドンナレジーナ聖堂に描かれる「聖エリザベト伝」を分析することにより,観想的生活を通してのみ神に近づき得るのではなく,活動的生活/慈善の行為も終末論の文脈の中で重要な意味を持つことを明らかにした。これについては,イタリアのピアチェンツァで開かれた学会で発表している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中世絵画の描き直し-ナポリ,サンタ・キアーラ修道院壁画装飾について2007

    • 著者名/発表者名
      谷古宇 尚
    • 学会等名
      第58回美学会全国大会
    • 発表場所
      北海道大学,札幌
    • 年月日
      2007-10-06
  • [学会発表] Contemplazione e azione-Qualche osservazione sulla pittura in ambito francescano al tempo di San Corrado Confalonieri2007

    • 著者名/発表者名
      谷古宇 尚
    • 学会等名
      第5回聖コッラード・コンファロニエーリ国際研究学会
    • 発表場所
      ピアチェンツァ銀行会議場ピアチェンツァ,イタリア
    • 年月日
      2007-06-09

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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