1、兼常の生地、萩市を訪ね、旧居住地、小中学校を見学。萩博物館所蔵の兼常家文書を閲覧、複写した。 家譜、幼少時代の作文、高校時代の日記等により、誕生から高校時代までの軌跡を辿った。 2、上野学園日本音楽資料室保管の兼常遺品を閲覧、調査した。 写真、日記、書簡類、執筆元原稿、採譜草稿、投稿論文、音声音韻の測定記録、楽器などの遺品により、大学時代から死去までの業績と、他者との交流関係を把握した。とくに音楽学者田辺尚雄との音楽観の相違が明白となった。 3、上野学園図書館に寄贈された兼常文庫の洋書と和書の閲覧と調査。 兼常が研究と執筆に役立てた和書と在欧時代に購入した洋書を調査することにより、兼常の研究活動状況を把握した。 4、兼常の業績収集とデータ入力。 著書、雑誌論文、新聞記事等の収集、複写と解読を行い、美学・音楽・歌劇・文学・音声学・音響学・映画など多方面にわたる活動状況を把握した。データは652件を数える。 5、兼常の年譜の作成。 学歴、研究歴、個人歴を総合的に把握することにより、兼常の音楽観の生成について把握した。 6、上記の調査研究に基づき、次のような口頭発表(含司会)を行なった。 (1)「兼常清佐考:学位取得を中心に」2005年9月3日、東洋音楽学会東日本支部第21回定例研究会 (2)「田辺尚雄の兼常清佐評について考察する」2005年10月2日、東洋音楽学会第56回大会 (3)「兼常清佐の文学観小考」2005年10月23日、日本歌謡学会平成17年度秋季大会
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