2006年8月14日から21日まで、フランスのノルマンディのスリジーで開かれた国際会議に出席。そこで、現在シャバノンに関する研究を共同で進めているカナダのギレーヌ・ゲルタン教授(カナダ、モントリオール大学)のシャバノンに関する最新の研究発表に参加。今回のスリジー国際会議の全体テーマである「歴史と手紙」に関連して、最近アカデミーフランセーズに関する文献の中から新たに発見されたシャバノンとエナン(フランス18世紀の外交官で知識人)との往復書簡に関する詳細な情報を得た。それによって得られた知識のなかで、最重要のものは、書簡の中でシャバノンがフランス音楽に対するイタリア音楽の優位に対して賛成の意見を述べていることである。出版された著作においてシャバノンは自分はフランス音楽とイタリア音楽の優劣の問題に対しては敢えて中立の立場をとると明言しているだけに、書簡というプライベートな文書において述べた本心を発見できたことは意義深い。この会議出席によって、現在エナンに関する研究で博士論文を準備中の学者と面識を得ることもできた。その機会に、2007年12月に出版される予定の雑誌『Musicorum』(Presses Universitaires Francois Rabelais de Tours)(トゥール大学のロリーヌ・ケタン教授による編集)でシャバノンが特集されるが("'Chabanon et ses contemporains")、そのための論文寄稿に関しての打ち合わせを行い、現在寄稿のための準備を進めている。
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