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2007 年度 実績報告書

絵画行為論-いかにして画像をもって事をなすか-

研究課題

研究課題/領域番号 17520094
研究機関同志社大学

研究代表者

岸 文和  同志社大学, 文学部, 教授 (30177810)

キーワード絵画行為 / 名所絵 / 写真 / 浮絵 / 遠近法 / 面白さ / 美的性質
研究概要

視覚イメージ(画像)は、視覚的コミュニケーションのためのメディアとして、さまざまな機能を担ってきた。本研究の課題は、視覚イメージが担う5つの機能--指示的/表出的/指令的/メタ絵画的/美的機能--を、コミュニケーション行為の観点から再検討することにある。この課題を解決するために、本研究は、言語行為論の理論的枠組みを援用することによって、絵画行為--画像を一定のコンテクストにおいて使用(制作/受容)すること--の多様性を概観した上で、その行為論的な構造--画像が帯びる特定の形式的・様式的特徴と行為の意図の連関--を分析し、当の絵画行為を公共的/制度的な出来事として成立させている規則体系を明示することを試みる。
平成19年度は、18年度に引き続き、一般的な「絵事の構造」と「絵画の機能」を、浮世絵という近世に固有の画像に即して特殊化・具体化し、絵画行為論の観点を導入することを目指した。具体的には、「都市鳥目敢図と観光のまなざし--《うきゑ京中一目細見之図》を見る」(『美術フォーラム21』第15号)において、《うきゑ京中一目細見之図》と題された名所絵は、写真映像--これからまなざしを向けようとしている場所についての予知あるいは白日夢を構成してくれる--の近世的なバージョンであることを明らかにした。また、「<日本美術>の記号学--ソシュールと遠近法」(『言語』第36巻5号)において、浮絵の遠近法的特徴を明らかにするとともに、「『山水面白く、また物凄し』--広重日記に見る情緒性」(r美術フォーラム21』第16号)において、広重は、名所絵を描くことにおいて/よって、当時の受容者に対して、諸国の名所/山水について「面白さ」--楽しさや愉快さと結びついた美的性質--を知覚させることを意図していたことを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] <日本美術>の記号学-ソシュールと遠近法2007

    • 著者名/発表者名
      岸 文和
    • 雑誌名

      言語 第36巻5号

      ページ: 78-84

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 『山水面白く、また物凄し』-広重日記に見る情緒性2007

    • 著者名/発表者名
      岸 文和
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 第16号

      ページ: 70-80

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 都市鳥瞰図と観光のまなざし-《うきゑ京中一目細見之図》を見る2007

    • 著者名/発表者名
      岸 文和
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 第15号

      ページ: 92-95

    • 査読あり
  • [学会発表] 『山水面白く、また物凄し』-広重日記に見る情緒性2007

    • 著者名/発表者名
      岸 文和
    • 学会等名
      大正イマジュリィ学会第12回研究会
    • 発表場所
      渋谷区立松濤美術館
    • 年月日
      2007-11-11
  • [図書] 絵画行為論-浮世絵のプラグマティクス2008

    • 著者名/発表者名
      岸 文和
    • 総ページ数
      418
    • 出版者
      醍醐書房
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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