研究課題
基盤研究(C)
画像=視覚イメージ(visual image)が実際に担っていた機能の多様さ/豊かさは、いわゆる「美術作品」にもっぱら期待されている美的(aesthetic)な性格の陰に隠れて、時として、見失われることも多い。本研究の課題は、このような画像の非美的(non-aesthetic)な機能、言い換えれば、画像が現実生活との間に保持しているプラグマティックな性格に、照明を当てることである。本研究では、具体的に、次の二つの課題を解決することを試みた。すなわち第一は、視覚イメージの多様な機能のバラエティーを、コミュニケーション論の立場-画像を視覚的コミュニケーションのメディアとみなす立場-から整理して、関説的/動能的/心情的/メタイメージ的/美的機能に分類すること。第二は、そのようにして分類された画像の機能を、オースティン(John Austin)やサール(John Searle)の言語行為論(Speech Act Theory)の枠組みを参照することによって、絵師の絵画行為(pictorial act)として解釈し直すことである。江戸時代の庶民にとって最も身近なイメージであった浮世絵に焦点を合わせ、役者絵/美人画/死絵などを描くことにおいて/よって、絵師が行ったことを、主張型(真を写す)/指令型(人を動かす)/表出型(情を表す)の発語内行為との類比において分析した。研究成果は、科研報告書としてまとめるとともに、『絵画行為論-浮世絵のプラグマティクス』として刊行した。
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