研究課題
基盤研究(C)
当研究の目的は、ヨーロッパにおける主要な漢籍所蔵図書館における中国民衆本、とくに清代後期から民国期にかけて大衆の読み物として大量に発行された芸能の脚本(刊本)の所蔵状況を調査し、中国国内外で目録に記載されているもの、いないものについて精査することにある。中国の語り物のテキストを記した刊本がもっとも活発に出版されたのは、清朝末期から民国時代にかけてである。この時代は印刷技術の飛躍的な向上にともない、石印版などの大量出版が可能になった時代であった。なかでも、語り物演芸「曲芸」、「説唱」の脚本でありつつも、民衆の読み物、「民衆本」として発行された刊本は長篇ものであれば数十冊におよぶ大部の書籍であった。このような民衆本は、一冊は数十ページと薄いものが多く、表紙には絵や写真が用いられ、裏表紙には新刊書の広告や日常生活の情報が刷られたりする。民衆本は保存されにくく、大陸ではその多くが戦乱、社会変動のなかで失われてしまった。全容が明らかにされていないこの種の民衆本について、これまで盲点となっていたヨーロッパに所蔵の可能性があることがわかってきた。当研究では、欧州各地で3年間におよぶ調査の結果、イギリス・オックスフォード大学、Bodleian図書館のように個人が所有していた大部(460冊におよぶ〓南歌仔冊(〓南語の語り物))のコレクションが存在し、目録も作成されていないことが判明した。個人が収集した非公開のコレクションはまだまだ存在する可能性が大きいと考えられる。訪問調査を行った主な図書館は下記の通りである。フランス国立図書館、イギリス・オックスフォード大学Bodleian図書館、台湾国立中央研究院歴史言語研究所傅斯年図書館、中国・湖南省省立図書館古籍部門、サンクト・ペテルブルク、ロシア科学アカデミー東洋学研究所ペテルブルク支所。
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『革命の実践と表象-中国の社会変化と再構築』韓敏編 (印刷中)
『革命の実践と表象-中国の社会変化と再構築』 韓敏編、 風響社(Han Min ed. The Practice and Representation of Revolution : Social Changes and Reform of China Fukyosha)
CHINOPERL Papers No.27
ページ: 43-60
季刊民族学(Kikanminzokugaku) No.115
ページ: 68
季刊民族学(Kikanminzokugaku) 115