本年度は、西沢一風(九左衛門)や、菊屋七郎兵衛などが出版にかかわった本の、書誌的な調子的な調査や、テキストのデータベース化をおこなった。 書誌調査に関しては、都内の図書館(東京大学総合図書館、国立国会図書館など)および、大阪府立中之島図書館、京都大学付属図書館などにおいて、菊屋七郎兵衛が出版にかかわった書籍の書誌調査をおこなった。また、早稲田大学中央図書館、国立国会図書館などを中心に、西沢九左衛門が出版に関わった書籍の書誌調査をおこなった。 また、テキストのデータベース化については、西沢一風作の、『新色五巻書』・『御前義経記』・『寛濶曽我物語』・『風流今平家』・『傾城武道桜』などのデータベース化及び、都の錦の初期作品である『元禄大平記』・『元禄曽我物語』のデータベース化をおこなった。これらを、語彙的にどのように処理するかは、現在進行中の『八文字屋本全集』の主要語彙索引の動向を見ながら、さまざまに検討中である。 本年度は、今後の研究に向けての基礎的な調査を中心とし、そのために、パソコンや基本的文献等の購入、および旅費等に費用を用いた。本科研による文字化された研究成果を生み出していないが、2・3年目における研究の進行に向けて、有益な基礎的データの形成をおこなうことができた。
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