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2006 年度 実績報告書

山岳修行僧行尊の伝記と詠歌についての総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520132
研究機関就実大学

研究代表者

川崎 剛志  就実大学, 人文科学部, 教授 (70281524)

研究分担者 曽根 正人  就実大学, 人文科学部, 教授 (70368695)
佐藤 明浩  都留文科大学, 文学部, 教授 (20225915)
近本 謙介  筑波大学, 大学院・人文社会学研究科, 助教授 (90278870)
キーワード行尊 / 山岳修行 / 大峯 / 熊野
研究概要

本研究は行尊の伝記研究と詠歌研究を柱とする。まず伝記研究では、日記・伝記・説話集等から行尊関連記事を検索する作業を終えた。その結果、(1)天台宗寺門派高僧の系譜のなかで行尊が位置づけられる場合と、広く山岳修行者の系譜のなかで位置づけられる場合があり、それぞれに固有の意味をもつこと、(2)同じ天台宗寺門派高僧の系譜のなかで位置づけられる場合でも、室町時代初期、摂家出身の聖護院門跡=熊野三山検校を頂点とする修験道の体系が確立される前と後とでは、行尊伝の位置づけに温度差のあることが判明した。
なお上記の問題と関わって鎌倉期・南北朝期の修験道史を再確認する作業を進めてきたところ、平安後期以降、『華厳経』諸菩薩住所品に載る法起菩薩の住所として金剛山を信仰する動きが南都を中心に高揚したこと、そしてその信仰を推進したのが、興福寺僧、西大寺流真言律僧であったことが判明した。この事実は、ともすると天台宗寺門派に偏りがちであった従来の修験道史の記述に修正を迫る重要な材だと考える。
次に詠歌研究では、主に『行尊大僧正集』を対象として研究を進めた結果、(1)書陵部蔵の二本はそれぞれ時雨亭文庫蔵資経本、平安写本を親本とする忠実な写本であるが、少々相違も見られ、なかには和歌の解釈に関わる異同も含まれる、(2)大峯入りの歌で詠み込まれた泊の名は順峯の前半に偏っている、(3)月を擬人化した歌は、西行詠歌の先蹤と認められる、等の事実が判明した。上記の点には和歌史の範疇にとどまらない問題も含まれており、伝記の成立・流布の問題と絡めて検討を進める必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『金剛山縁起』の基礎的研究2006

    • 著者名/発表者名
      川崎 剛志
    • 雑誌名

      金沢文庫研究 317

      ページ: 1-16

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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