• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

改変の詩学と政治学--ハーディ後期小説に施された改稿の分析

研究課題

研究課題/領域番号 17520158
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

上原 早苗  名古屋大学, 国際言語文化研究科, 助教授 (00256025)

キーワード英米文学 / トマス・ハーディ / 改稿 / テクスト
研究概要

トマス・ハーディは家庭向けの雑誌では性的な表現や挿話を削除・修正したが、版本ではそのほとんどを原稿どおりに復元したというのが、研究者の間に広く流布するハーディの改変の政治学である。本研究では、その改変の政治学がハーディ小説のすべてを統べるわけではなく、それから逸脱したハーディ小説があることを論証するのを最終目的としている。
その目的を達成するべく、本年度では『カスタブリッジの町長』を分析の俎上に載せることとした。本年度ではまず、この小説の原稿をマイクロフィルムのかたちで入手し、およそ500葉のうちの300葉を解読した。
またハーディ書誌学にあって改変は専ら通時的観点から論じられる傾向にあり、共時的観点から論の俎上に載ることがほとんどなかった。改稿の相互連関や相互反照といったテクスト読解にとって興味深いと思われる点は不問に附され、そのためハーディ研究において書誌学的成果はほとんどテクスト分析に活かされてこなかったと言える。本研究では、『カスタブリッジの町長』に施された改変を共時的観点から分析し、改稿によって生じたテクストの亀裂や空白、あるいは撞着する語りに焦点を当てながら、この小説を読み直すことも目標としている。
今年度はその手始めとして、『カスタブリッジの町長』に施された改稿(一部ではあるが)の意味効果を分析し、研究成果を論文「父娘の絆-『カスタブリッジの町長』のテクストを読む」として纏めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 父娘の絆-『カスタブリッジの町長』のテクストを読む2005

    • 著者名/発表者名
      上原 早苗
    • 雑誌名

      ハーディ研究 31

      ページ: 1-19

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi