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2007 年度 実績報告書

『赤と黒』の創作とジャーナリズム

研究課題

研究課題/領域番号 17520180
研究機関九州大学

研究代表者

高木 信宏  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (20243868)

キーワード19世紀フランス文学 / スタンダール / 近代小説 / ジャーナリズム / ロマン主義
研究概要

研究の最終年度にあたり、前2年間に蒐集した資料のうち、『赤と黒』第2部の校正期間に該当する1830年6月から11月初旬までに発行された主要新聞と文芸誌の分析が上半期の作業の中心となった(この過程において補足的にフランスの国立図書館から資料を入手)。7月革命の勃発とそれに続く政治体制の改革という社会的・政治的な動乱期にあって、言論界においては共和主義・自由主義陣営の勢いが増し、反対に王党派は世論形成の主導権を失う。こうした状況の変化がどのように物語内容の修正に反映されたのかを検証した。
まずスタンダールの書簡や備忘の記述を考察した結果、彼が7月革命を契機として原稿の内容に修正を施したこと、そして修正の中核をなしたのが小説の第2部で登場する女主人公マチルド・ド・ラ・モールの人物造型であった可能性を指摘し、第2部の校正作業の長期化がもっぱら修正作業に起因するという仮説を立てた。かかる第2部修正過程の全体像を示したうえで、新聞各紙の記事と照らし合わせながら各章の修正時期とその内容の検証を進めた。
次いで下半期においては、これまでの研究成果の総括に着手し、新聞記事にもとづくスタンダールの創作手法の特徴を整理したうえで、積み残された課題と今後の研究の展望を検討し、研究報告書にまとめるべく鋭意作業中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] De la source au texte. Un aspect de la creation dans Le Rouge et le Noir2007

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro TAKAKI
    • 雑誌名

      H.B.Revue internationale d'etudes stendhaliennes n^0 9-10

      ページ: 131-153

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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