研究概要 |
平成18年度に行なった研究は、以下の2点に纏めることが出来る。 (1)第二次世界大戦後、とりわけ60年代以降の南チロルの文学の流れを全体的に捉える。以下の研究書を分析した。 (1)Johann Holzmer (Hrsg.) : Literatur in Sudtirol. (1997) (2)Beatrice Simonsen (Hsrg.) : Grenzraume. Eine literarische Landkarte Sudtirols. (2005) (3)Siegrun Wildner (Hsrg.) : (W)orte. Words in Place. Zeitgenossische Literatur aus und uber Sudtirol. (2005) (2)現在活躍している南チロルの作家Joseph Zoderer, Sabine Gruber, Sepp Mallの文学の渉猟、分析。Zodererについては既に2本の論文において、南チロルという多文化・多言語社会の孕む様々な問題を描いた文学として論じてきたが、本人へのインタヴューを踏まえ、最新作である,Der Himmel uber Meran"(2005)について新たに研究論文を発表した。Sabine Gruberについては、彼女の二つの長編小説,Aushausige"(1996),,Die Zumutung"(2003)を分析し、とりわけ前者で描かれたイタリアとドイツ語圏という二つの世界を渡り歩く南チロルの若者のアイデンティティーの葛藤について考察した。Sepp Mallについては、長編小説,Wundrander"(2004)を詳しく分析し、そこに描かれた南チロルの現代史、特に60年代、自治権や民族自決権を求めた爆破テロに代表される政治的・社会的状況が、南チロルの「普通の人々」、特に青・少年の成長に与えた影響について考察し、その成果を纏めた論文を書き上げ、投稿中である。
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