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2006 年度 実績報告書

西洋古典文学における間テクスト解釈理論に基づく実証的作品論研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520186
研究機関首都大学東京

研究代表者

大芝 芳弘  首都大学東京, 都市教養学部人文・社会系, 教授 (70185247)

研究分担者 佐野 好則  国際基督教大学, 教養学部人文科学科, 准教授 (50295458)
キーワード西洋古典 / 文芸理論 / 間テクスト解釈理論 / 文体論 / 叙述技法
研究概要

第二年度に当たる本年度においては、前年度より継続して、本研究の主要な研究対象として予備的に選定された作品について、文献学的基礎作業に加えて、先行作品との比較の観点から総合的に作品分析を行った。当該作品については、間テクスト解釈理論を応用して、主な手本となった作品との比較ばかりではなく、従来の作品論研究では見過ごされてきた様々な先行テクストとの多様なレベルにおける影響関係を考察した。その際に各作品を措辞・語法、韻律、叙述技法、文学上のトポス、文体論的特徴、作品構成等の面から、先行作品がそれをもとにして作られた作品において如何なる改変を経て用いられているかなどを詳細に検討した。しかも単に類似箇所を取り出して比較するのみではなく、当該箇所がそれぞれの作品構成上占めている位置にも着目した。具体的な作品としては、ホメーロス『イーリアス』第18巻とウェルギリウス『アエネーイス』第8巻、アルキロコスとホラーティウス『エポーディ』、ヘーローダースとオウィディウス『恋の歌』、ビオーンとオウィディウス『変身物語』などを取り上げた。これに加えて、大芝は「カトゥッルスの難読箇所について-Cat. 25.5,107.7-8-」、佐野は「幸と禍の壺の寓話の解釈をめぐって-Ilias 24.527-33,Pind. Pyth.3.81-2,Plat. Resp. 379d-」と題する研究発表(2006年10月14日、国際基督教大学)を行い、それぞれ文献学的問題を含むテクストに関して、間テクスト的観点からの検討と考察を加えた。さらに佐野は前年度以来の研究成果として、別記したように『オデュッセイア』の中の特定の物語部分の構成や物語全体との有機的関連性などの問題を論じ、またアリストパネースの喜劇作品における叙事詩やエレゲイア詩のパロディーの要素を指摘する論考を公にした。こうした個別作品に関する研究と並行して、必要となる各種文献の選定と購入を進めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] オデュッセウスの漂流譚の構成について-特にトリーナキエー・エピソードをめぐって-2006

    • 著者名/発表者名
      佐野 好則
    • 雑誌名

      人文科学研究(国際基督教大学学報IV-B) 37号

      ページ: 27-52

  • [雑誌論文] Aristophanes,Pax 1268-1304-叙事詩およびエレゲイア詩のパロディーについて2006

    • 著者名/発表者名
      佐野 好則
    • 雑誌名

      フィロロギカ 1号

      ページ: 89-98

  • [雑誌論文] 「オデュッセイア」におけるアガメムノーンの帰郷譚2006

    • 著者名/発表者名
      佐野 好則
    • 雑誌名

      ペディラヴィウム(原始キリスト教とヘレニズム文庫紀要) 59号

      ページ: 11-34

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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