研究概要 |
当研究は、前段階の研究である「ヴィクトリア朝における家族パラダイムの変換の核としての従兄弟・従姉妹表象」と継続して博士論文の一環を成す。当論文により、2007年7月にヒックス入字よりDphilの学位を取得した。今年度おこなった具体的な研究内容は以下の通りである。 1.論文の議論を支える文化的・歴史的背景としての18,19世紀結婚法についての概拮を述べたIntroductionを、更に一次史料を付加して加筆修止した。 2.一次史料については、東京大学が所有するマイクロフィルムを便用し、その他の更料についてはロンドシのブリティッシュ・ライブラリにおいて調査した(平成20年3月19日〜3月27日)。 3.主にウィルキー・コリンズを扱った章については、相続の問題か大きな意味を持つNo Nameという作品の分析を加えた。 4.口述試験の段階では、5章として設定していたハーティについての分析を、面接官のアドヴァイスにより削除し、Conclusion全面的に書き直した。それにより、他者を身内に読み換える結婚のイデオロギこを、「類似」のレトリックに着目することによって表り出そうとする議論の骨子により一貫性をもたせることに成功した。
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