研究課題
2年目に当たる平成18年度は、主として以下の点について研究を進めた。(1)ロマン主義とエコロジーをめぐる全般的考察(続)ロマン主義全般について、エコロジーの観点からの概念図を形成するために、イギリスロマン派の資料を中心として、エコクリティシズムに貢献した主要な先行研究の検討を継続した。(2)ラスキンのセント・ジョージのギルドについての考察ラスキンが1880年代に実践したユートピア的農業共同体であるセント・ジョージのギルドを問題にして、その理念をFors Cravigeraなどから検討し、その活動の詳細を調べた。このコミュニティの理念には環境についてのいかなる独特な理念があるかを考察する。(3)モリスのデザイン思想とエコロジーの理念デザイナーとしてもモリスの実践および装飾芸術をめぐる一連の講演、エッセイをテキストとして、彼のデザイン思想のなかに重要なものとして含まれるエコロジー思想を考察した。なお、本研究の成果については、11に記した雑誌論文および図書に加えて、以下の口頭発表を行った。すなわち、「ラスキン・モリス・エコロジー」第3回「環境と文学」ファーラム、主催:日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト領域V「文学・芸術の社会的媒介機能」、芸術とコミュニケーションに関する実践的研究-「環境と文学」部門)於:大阪大学豊中キャンパス、2007年3月17日「ジョン・ラスキンとセント・ジョージのギルド」国際フォーラム「工芸運動と芸術の近代」大阪国際会議場、2007年3月4日以下の2つである。
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ラスキン文庫たより 第52号
ページ: 8
The Journal of William Morris Studies Vol. XVI, Number 4
ページ: 5-26