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2007 年度 実績報告書

現代ケベック文学が映すマイノリティ性を核としたトランスカルチュラリズムの伸展

研究課題

研究課題/領域番号 17520213
研究機関阪南大学

研究代表者

真田 桂子  阪南大学, 流通学部, 教授 (60278752)

キーワードトランスカルチュラリズム / マルチカルチュラリズム / 移動文学 / トランスミグランス / ケベック文学 / カナダ / 移民 / コスモポリタニズム
研究概要

本年度は当該研究課題の遂行の最終年度にあたり、これまでの研究の総決算をめざした。
まず前年度の現地での調査研究の際に収集した資料をもとに、当該研究課題のテーマであるケベックにおけるトランスカルチュラリズムと、カナダにおけるマルチカルチュラリズム(多文化主義)との比較研究を行い、とりわけ前者の発祥の基盤となった雑誌Vice Versaでの思想的な変遷を分析し、トランスカルチュラリズムと移動文学(l'ecrituremigrante)がケベック社会に及ぼした影響を検証しながら、この動向の今後の可能性について考察した。その研究成果の一部は、2007年9月に行われたカナダ学会年次大会での学会発表「マルチからトランスへ-トランスカルチュラリズムと新しいコスモポリタニズムの可能性」として発表した。
また2007年夏、現地での調査および資料収集を行い、トランスカルチュラリズムが浸透したことにより、1990年代以降に教育を受けた若い世代や90年代後半に活躍し始めた移民作家たちを中心に、ケベック社会とそれを映し出す文学において「新世代文学」や「トランスミグランス」と呼ばれる新しいコスモポリタニズムがきざし始めていることに注目し文献の分析を行った。その成果の一部は、『阪南論集』42巻2号「二つの「幸福」なる文学が映す多元社会ケベックの変遷-「二つの孤独」からトランスミグランスへ」として発表した。
なお、拙著『トランスカルチュラリズムと移動文学-多元社会ケベックの移民と文学』(彩流社、2006年3月)と当該研究の最新の成果を下敷きに、博士論文「多元社会ケベックの移民と文学-トランスカルチュラリズムと移動文学の起源と興隆」(2008年3月、大阪市立大学文学研究科)をまとめ博士号を取得した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 二つの「幸福」なる文学にみる多元社会ケベックの変貌-「二つの孤独」からトランスミグランスへ2008

    • 著者名/発表者名
      真田 桂子
    • 雑誌名

      阪南論集人文・自然科学編 43巻2号

      ページ: 33-42

  • [学会発表] 多元社会ケベックの移民と文学-トランスカルチュラリズムと異動文学の起源と興隆2008

    • 著者名/発表者名
      真田 桂子
    • 学会等名
      大阪市立大学フランス文学会
    • 発表場所
      大阪市立大学文学研究科
    • 年月日
      20080300
  • [学会発表] マルチからトランスヘートランスカルチュラリズムと新しいコスモポリタニズムの可能性2007

    • 著者名/発表者名
      真田 桂子
    • 学会等名
      日本カナダ学会
    • 発表場所
      麗澤大学
    • 年月日
      20070900
  • [図書] 多元社会ケベックの移民と文学-トランスカルチュラリズムと移動文学の起源と興隆2008

    • 著者名/発表者名
      真田 桂子
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      大阪市立大学文学研究科博士論文

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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