研究概要 |
本研究は、図像と文字テキストの両面から、日英両テキストをとりあげて分析を行う、はじめての本格的な『ガリヴァー旅行記』翻訳と図像に関わる受容史、日英比較美術研究である。本研究の目的は、イギリス文学作品の日本語翻訳、英米仏さらに日本版図像テキストと、その作品が生まれた日英の政治的時代的文化的状況を、ポストコロニアル的観点とジェンター論とりわけ「少年」的観点から分析する比較研究である。 本年度に行った研究によって得られた新たな成果は、次の2点である。 1.現在まで未整理のイギリス版・日本版資料(大正期まで)の収集複写デジタルインデックス化 (1)英国の主要図書館アーカイブでの調査資料収集:全体の20パーセントの複写、完了 (2)日本の国会図書館、大阪国際児童文学館などで資料収集:全体の20パーセントの複写、完了 なお、デジタルインデックス化は、次年度おこなう 2.イギリス版画像研究と日本版初期翻訳挿絵研究の成果発表 (1)論文脱稿 i.「大正日本の『ガリヴァー旅行記』図像-岡本帰一と初山滋」『子供の本・翻訳作品大辞典 第4巻研究編:日本における翻訳児童文学』,(東京:ナダ出版センター、2007.6出版予定) (2)その他、関連研究成果 i.国際学会発表:‘Oriental Illustrations of Alice,'ASH Colloquia, Clare Hall, University of Cambridge(2006.9) ii.国際学会‘Tove Jansson's Alice Illustrations,'Tove Jansson's Conference, Oxford University(2007.3) iii.書評:‘Frankie Morris, Artist of Wonderland,'日本ヴィクトリア朝文化研究学会発行『ヴィクトリア朝文化研究』第4号,pp.83-86
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