研究概要 |
(1)研究代表者:鈴木道男 ズィーベンビュルゲン作家によるドイツおよびドイツ人観と自己のアイデンティティ描出の特徴とを分析し,ナチズムへの同調行動との関連を分析した。 (2)研究分担者:山下博司 シンガポールとマレーシアにおけるインド系移民たちのタミル語文学活動の包括的な考察と位置づけを行い、歴史的・文化的な文脈も加味して,アイデンティティと文学の関係について,考察した。 (3)研究分担者:藤田恭子 ブコヴィナの多民族多文化性が神話化され,それが離散したブコヴィナ出身者のアイデンティティの中核を形成する過程を,文学の受容状況やメディアにおけるブコヴィナ報道等の変化を視野に入れつつ,整理し、研究成果を論文にまとめた。 (4)研究分担者:佐藤雪野 チェコの「亡命文学」を「ディアスポラ文学」と位置づけてよいかを再検討し、新たな国境線の誕生により,新たなディアスポラ・アイデンティティ,更には「ディアスポラ文学」が生まれたかを検討した。 総括的事項 コロキアムと研究会を定期的に公開で実施し,前年度の共同研究成果を踏まえつつ,特に各文学におけるディアスポラ・アイデンティティの表出形態,ならびにその変遷の有無、ディアスポラ・アイデンティティ形成に果たした文学の役割、ナショナリズムとディアスポラの接点の各点について,分担テーマの成果を相互に比較,検討しあった。
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