研究課題/領域番号 |
17520219
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 清人 山形大学, 人文学部, 教授 (80178722)
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研究分担者 |
阿部 宏慈 山形大学, 人文学部, 教授 (10167934)
中村 三春 山形大学, 人文学部, 教授 (80164341)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 准教授 (20250962)
渡辺 将尚 山形大学, 人文学部, 准教授 (90332056)
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キーワード | 比較文学 / 文学論 |
研究概要 |
佐藤清人は、ロシアに対して生涯にわたり深い関心を持ち続けたアメリカの文芸批評家エドマンド・ウィルソンが、その著作のなかでどのようにロシアを表象したか、とりわけウィルソンの描き出すレーニン像、プーシキンとその詩に対するウィルソンの絶大な賛美がいかにして産み出されたかを中心に研究した。 阿部宏慈は、フランス二十世紀の文学(特に詩作品)におけるロシア・イメージの問題を、十九世紀から第一次世界大戦に至る時代と、両大戦間から第二次大戦後に至る時代における変化を追いながら研究した。取り上げた主な作家は、コクトー、アポリネール、ブレーズ・サンドラールである。 中村三春は、島田雅彦の初期の作品「優しいサヨクのための嬉遊曲」から『エトロフの恋』に至るまでの小説に見られるロシアのイメージをたどり、島田の作品においてロシアの表象がどのように変化したか、また、それがいかなる意義を有するかについて研究を行った。 中村唯史は1830年代から40年代におけるペテルブルグとモスクワの比較研究を行った。その当時、古都モスクワと帝国の首都ペテルブルグのどちらが優れた街かという論争があったが、そうした論争がロシアの自己表象とどのように関わっているかを研究した。 渡辺将尚は、ブレヒトがソ連における共産主義やスターリンを批判しているにもかかわらず、ソ連の強力な影響下で建設が進められる東ドイツに対して、いかにしてブレヒト希望をいだき続けることができたのか、その理由について研究を行った。
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