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2005 年度 実績報告書

身体性を軸とした中国近現代文化史構築のための超領域的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520222
研究種目

基盤研究(C)

研究機関埼玉大学

研究代表者

牧 陽一  埼玉大学, 教養学部, 助教授 (40241921)

キーワード身体論 / 美人画 / 鉄の娘 / ジェンダー / マシーン化した身体 / 等身大の身体 / バウハウス / 大山子芸術区
研究概要

今年度は当初の計画通りに身体論に係る資料、書籍の収集と整理を行った。当研究の具体的な身体観を「脳がつくる身体」、イメージする身体と見出した。そのことによって建国以前、月〓牌広告(カレンダー・ポスター)の「美人画」と、毛沢東時代の「鉄姑娘(鉄の娘)」との大きな隔たりが、当時のジェンダー(歴史的、社会的性差)を象徴的に表していることが明らかとなった。ここには政治的な意図や社会的状況などが複雑に入り組んだ形で反映されている。2004年、上海、台湾金門島、2003、2005年北京の調査によって、現代アートがこうした「集団化した身体観」を突き崩す「等身大の身体」を表出することによって、従来のジェンダーを解消させ、新たな男女のあり方を提出していることが明らかになった。そして中国現代アート作品の示す等身大の身体は、為政者、権力者のマシーン化した身体を収縮させる存在であることも指摘できた。また北京「大山子(798)芸術区」など現代アートの中心地を調査することによって、その理念が芸術と技術の新しい統合を目指したバウハウスの方向性や、労働者を国家の主人とする毛沢東思想に関係するであろうことも仮定できた。その成果は昨年度から共同研究を始めた国立民族学博物館での例会2004・12・18(「中国社会の変革と再構築」代表:韓敏)や名古屋大学大学院国際言語文化研究科2005・01・22(「多元文化と未来社会」)、北海道大学での日本中国学会2005・10・09(「北の都の<幻灯事件>」)などでの口頭発表で披露できた。また論文では2004年の「プロパガンダと中国現代アート」2006年の「変革と保守-ポスト前衛は成り立つか」にまとめた。次年度はさらに資料を収集・整理するとともに成果を単行本で発表する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 変革と保守-ポスト前衛は成り立つか2006

    • 著者名/発表者名
      牧 陽一
    • 雑誌名

      中国21(愛知大学) 24号(刊行予定)

  • [雑誌論文] 動向・文化・美術2005

    • 著者名/発表者名
      牧 陽一
    • 雑誌名

      中国年鑑2005

      ページ: 210-212

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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