研究課題
基盤研究(C)
本研究は、題目は「ポスト社会主義時代のモンゴル国における文学の伝統と刷新に関する研究」となっているが、おもに1930年代から1990年代末までのモンゴル国(旧モンゴル人民共和国)における文学動向を研究対象とし、この間のモンゴルの近代文学がどのような変容を受けたのかを「伝統」と「刷新」の両面から詳細に分析したものである。研究報告書の論説編においては、ポスト社会主義時代の文学を考察する前提として、従来の社会主義時代の文学も射程に入れ、モンゴル近代文学を代表する詩人D.ナツァグドルジの生涯と作品のいくつかを考察した。さらに1989〜90年の民主化要求運動が当時の作家や作家組織に及ぼした影響、また民主化の象徴として「復権」した詩人R.チョイノムの生涯と作品、従来は禁じられたテーマであった日本人抑留者を描いたR.ガンバトの小説『生きてゆかなければ』の考察と分析を行った。翻訳編では、D.ナツァグドルジ、R.チョイノム、Ts.ダムディンスレン、G.アヨールザナの作品を収めるとともに、翻訳論文として、研究協力者のモンゴル国立大学モンゴル言語文化学部のD.ガルバータル教授の専著『モンゴル文学の理論と歴史をめぐる重要な諸問題』(2001年)掲載の論説、モンゴル国におけるD.ナツァグドルジ研究の第一人者L.バルダン博士(モンゴル科学アカデミー言語文学研究所)の論説を収めた。本研究は、わが国の今後のモンゴル近代文学研究において先駆的かつ基盤的な役割を果たすものと思われる。この点に本研究の大きな意義と重要性がある。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
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