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2007 年度 実績報告書

一九三〇年代台湾文学における「大衆」とそのリテラシー

研究課題

研究課題/領域番号 17520225
研究機関横浜国立大学

研究代表者

四方田 千恵 (垂水 千恵)  横浜国立大学, 留学生センター, 教授 (70251775)

キーワード台湾文学 / 大衆 / リテラシー / 読者 / 漢文 / 通俗文学 / 新文学運動 / 日本語
研究概要

資料収集のために台湾に赴き、最新の研究成果を収集した。台湾においても本研究テーマである「一九三〇年代台湾文学における「大衆」とそのリテラシー」に対する関心は、ここ数年高まりを見せていると言るが、特にこの分野において顕著な成果を挙げている二人の研究者、清華大学台湾文学研究所助理教授・柳書琴と、中央研究院台湾史研究所助研究員・陳培豊にインタビューすることで研究への示唆を受けると同時に、最新の研究動向を掌握した。その結果、30年代の台湾には主として1)文盲層:台湾語の音声表現のみでリテラシーは持たない、農民・労働者階級。2)漢文通俗文学層:漢文リテラシーを持ち、思想的には「通俗」的だが社会的地位は比較的高い漢文作家および読者。3)日本語大衆読者層:日本語リテラシーを持ち、新聞・雑誌等のメディアの拡大に寄与した読者。4)中文エリート層:台湾新文学運動の中文作家および郷土文学論争の諸家。近代的教育を受けており、ナショナル・アイデンティティの象徴としての中文(中国白話文/台湾話文)に拘るが、実際は台湾語、中国白話文、日本語の混じった「東亜混合式漢文」を使用。5)日本語エリート層:台湾新文学運動の日文作家。の5層のリテラシー層が存在したことが明らかになった。
以上の調査を科研報告書としてまとめると同時に、論文「1930年代台湾文学における言語問題について-「郷土文学論争から『台湾文芸』へ-」(『横浜国立大学留学生センター教育研究論集』第15号)を執筆、発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 1930年代台湾文学における言語問題について-「郷土文学論争から『台湾文芸』へ-2008

    • 著者名/発表者名
      垂水千恵
    • 雑誌名

      横浜国立大学留学生センター教育研究論集 15

      ページ: 21-31

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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