研究課題
基盤研究(C)
本研究は、江戸期における詩経関係書目の作成を受けて、江戸期において朱子学、古義学、陽明学、考証学などの学問的傾向を持つ学者の詩経学やその他の詩経学の特筆すべき重要文献を考察することを通して江戸期詩経学の様相を探ること、及び明治元年以降の邦文の詩経研究文献目録の作成を目的になされた。江戸期詩経学の研究ではこれまであまり議論されてこなかった著作を優先した。1 朱子学、古義学、陽明学などの学問的傾向を持つ学者の詩経解釈はその学的傾向を反映しながらも、中国各代の重要文献を駆使して平心に吟味しながら解釈がなされているものも少なくないこと、またたとえば大田錦城、仁井田南陽などは資料を博捜した上で独特の学説を提示し詩経解釈に一石を投じていることなどが考察できた。またそれぞれの立場によって関心の対象は異なるが中国明代の著作からの影響や程大昌ら宋代の疑経疑伝に特色を持つ学者の論説からの影響を受けている学者も多いことが確認された。一連の研究を通してこれまであまり知られていなかった江戸期詩経学の様相や意義について内外の学者に広く知られることが期待される。2 明治元年から平成18年に至るまでの邦文の詩経研究文献目録を作成した。本研究以前に作成した江戸期の邦人による詩経関係の著述を総合的に整理分類した「江戸期における詩経関係書目」、中国の詩経関係文献等の江戸期における和刻本の目録「江戸期における詩経関係和刻本目録」(一部に明治期のものを含む)とあわせて、わが国において江戸時代から現代に至るまでの詩経関係の文献目録がおおよそできあがり、今後の詩経研究の大きな足がかりができたこととなる。また海外の研究者に日本の詩経研究の動向を発信するという意味においても今回作成したデータベースは大きな意義を持っていると思われる。
すべて 2007 2005
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 9件)
詩経研究(日本詩経学会) 31
ページ: 19-26
ページ: 1-3
中国古典研究(中国古典学会) 51
ページ: 21-31
詩経研究(日本詩経学会) 32
中国古典研究(中国古典学会) 52
ページ: 1-9
ページ: 1-8
Shikyo-Kenkyu (TheJournal ofShiging) No.31
Shikyo-Kenkyu (The Journal of Shi-Jing) No.31
Chugoku-Koten-Kenkyu (The Journal of Sinology) No.51
Shikyo-Kenkyu (The Journal of Shi-Jing) No.32
Chugoku-Koten-Kenkyu (The Journal of Sinalogy) No.52
中国古典研究(中国古典学会) 50
ページ: 1-46
詩経研究(日本詩経学会) 30
ページ: 1-11
張宝三・楊儒賓編『日本漢学研究続探 思想文化篇』(台湾大学出版中心)
ページ: 53-104
Chugoku-Koten-Kenkyu (The Journal of Sinology) No.50
Shikyo-Kenkyu (The Journal of Shi-Jing) No.30
Zhang baosan and Yang robin, eds., Ri-ben han-xue yan-jiu xu-tan Si-xiang wen-hua pian, Tai-wan da-xue chu ban zhong-xin