研究課題
上記の研究課題に従って研究を進めた結果、今年度は欧文による学術論文1編と全国規模の審査付き学術雑誌掲載の論文1編を完成することができた。まず、論文"Tussen academische en dagelijkse taalvaardigheid-Het Nederlands en het Fries in Japan door vier eeuwen heen-"はオランダ語で執筆したものだが、これはオランダ語圏言語文化の代表的な国際的擁護機関であるDe Vlaams-Nederlandse Vereniging Ons Erfdeel vzwからの要請を受けて、日本におけるオランダ語研究・教育の受容史と現状について総括的な論評を行った拙著"Het Nederlands in JaPan(2006)"が紙面上の制約によって不十分な論述を余儀なくされたために、これを大幅に加筆し、内容的、な充実をはかったものである。本論文ではオランダ第2の公用語である西フリジア語についても論述し、申請者のフリジア語研究の成果にかんしてもよりくわしく言及した。もうひとつの論文「ドイツ語、オランダ語、フリジア語の接頭辞動詞とBE-動詞」は、3言語に共通の生産的な動詞接頭辞be-の機能について、とくに広範な用法を備えるフリジア語のBE-動詞を考慮に入れることによって、フリジア語が動詞接頭辞ge-を消失したことによってbe-の用法を拡大したと結論づけ、西ゲルマン語類型論の観点から動詞接頭辞全体の体系の中で独自の説を展開したものである。以上のよ、うに、本研究3年目としてふさわしい成果を挙げることができた。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
北海道大学文学研究科紀要 123
ページ: 55-72
エネルゲイア(ドイツ文法理論研究会, 朝日出版社) 32
ページ: 57-78