平成17年度に約2000個の日本手話音節(語)にっいて動画撮影を行った。平成18年度は、これらの手話音節(語)を、アンケート調査用に再編集(各単語の提示時間や、単語間の間隔を調整)し、休憩時間を含め4時間の所要時間でアンケート調査が行えるようにした。ついで、再編集した手話音節(語)の動画を用いて、その適格性に関するアンケート調査を行った。アンケート調査には、日本手話を母語とする者7名の協力を得た。アンケート調査は、Signfactory Inc.に業務委託した。アンケート実施に際しては、アンケート結果の信頼性を高めるため、ビデオ・DVD等をアンケート協力者に送付する方式ではなくSignfactory Inc.社員がアンケートに立ち会う方式(対面方式)を採用した。アンケート協力者には、上記の手話動画を見てもらい、個々の手話音節(語)の適格性に関して、5段階で評価を行ってもらった(アンケート用紙の該当箇所に○をつける方式)。平成19年度には、アンケート結果の集計作業を行い、アンケート結果を、言語学的、統計学的観点より分析し、日本手話音節(語)の適格性に関する考察を行う。平成18年度には、アンケート調査と平行して、アンケート結果の解析作業に援用する理論的枠組みの研究を行った。解析作業では、研究代表者である原が取り組んでいる「確率に基づく音韻論」の枠組みを、何通りかの方法(日本手話のタイプ別、手話音節(語)構成要素の組み合わせ別、モノグラム/バイグラム的アプローチ別など)で日本手話音節(語)に適用し、その結果を3つの学会・研究会(国内2件・国外1件)で発表した。
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