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2006 年度 研究成果報告書概要

テクスト言語学の観点からのロシア語副動詞の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520284
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 言語学
研究機関京都産業大学

研究代表者

北上 光志  京都産業大学, 外国語学部, 教授 (40234257)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
キーワード副動詞 / 前景 / 異形態 / 完了体 / 他動性 / 副動詞主体 / 主観性 / 不可分性
研究概要

平成17年度では、ロシア語副動詞に限って研究した。従来の研究では本動詞しか前景と関係しないと言われていたが、非述語形である副動詞(特に完了体)が前景と強く関係していることを最近の文学作品を分析して明らかにした。また18世紀と19世紀の文学作品での完了体副動詞過去と完了体副動詞現在を情報構造の観点から比較し、その結果、同じ完了体でも完了体副動詞現在の方が完了体副動詞過去よりも前景に関与しやすいことが判明した。さらにこの二つの副動詞の語彙分類を行い他動性との関係を調べた結果、完了体副動詞過去には特徴的な傾向は見られないが、完了体副動詞現在は他動性の低い動詞での使用が際立っていた。こういった完了体副動詞現在の特異性は一般言語学で普遍化されつつある理論「属性叙述は事象叙述に比べ一般規則に従わない現象が現れやすい」を裏づける新証拠となる。
平成18年度では、ロシア語と他言語の副動詞の比較研究を行った。まずテクストにおける日本語とロシア語の副動詞を比較し、日本語副動詞の方がロシア語副動詞よりもテクストで前景要素と関係が深く、これには日本語の持つ主観性の強さが影響していることを明らかにした。次に、副動詞主体に関して、スラブ諸語、ゲルマン諸語、ロマンス諸語、アジア諸語と比較し、ロシア語副動詞主体の問題点を浮き彫りにした。そして、さらにロシア語副動詞主体に関する問題の分析考察を行い、ロシア語副動詞主体と本動詞主体の関係の揺れを明らかにし、それには話し手(書き手)の心的態度が大きく影響していること、そしてこの問題には一般言語学のトピック的問題となっている不可分性のハイアラーキーが反映していることを解明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 他動性の通言語的研究2007

    • 著者名/発表者名
      角田太作他
    • 総ページ数
      375
    • 出版者
      くろしお出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Typological studies of transitivity2007

    • 著者名/発表者名
      Tsunoda Tasaku, others
    • 総ページ数
      375
    • 出版者
      Kuroshio Shuppan
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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