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2006 年度 実績報告書

主格・属格交替に関する認知類型論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520289
研究機関石川工業高等専門学校

研究代表者

小熊 猛  石川工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (60311015)

研究分担者 中村 芳久  金沢大学, 文学部, 教授 (10135890)
金寺 登  石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (50194931)
キーワードが / の交替 / 主格・属格交替 / 参照点 / 認知モード / tr / lm alignment
研究概要

1.認知文法(Langacker 1987,1991)の理論的枠組みで,2つの対応関係にある連体修飾表現はそれぞれ異なる認知プロセスを反映しているという立場から検討を行った。日本語の助詞「の」の本来的意味に基づいて議論を行い,「の」格連体節とは連体節内主語を参照点として標的である被修飾名詞を同定するR/T認知(Reference-Point/Target認知)を反映した連体修飾構文であり,この意味構造が改めてtr/lm認知(trajector/landmark認知)で捉え直されたものが「が」格連体節であると理論的一般化を行った。
2.R/T認知で捉えられた認知像がいつでもtr/lm認知で捉え直しが可能であることが「が/の」交替の随意性の正体なのであり,2つの連体節表現は反映する認知モードが異なるだけで,同一の合成意味構造を有しているために意味的対立が生じないと理論的に説明できることを明らかにした。
3.R/T認知(「の」)からtr/lm認知(「が」)へとする認知モード転換分析は,連体節内の主語の格マーキングの通時的言語変化を自然に捉えることを明らかにした。また,現代日本語は連体節においてtr/lm認知による捉え直しが行われるのが無標でありR/T認知で捉えられた認知像がそのままで言語化されるのが有標であるに過ぎないということであり,共時的に「が」が無標であり,「の」が有標である言語事実と矛盾するものではないことを指摘した。
4.他動性制約の反例については,参照点関係に基づく間接受け身と,それ以外のタイプに大別されることを指摘し,後者はHopper and Thompson(1980)が指摘する他動性の尺度に照らして低い他動性を示すことが明らかになった。
5.類型論的には,韓国語における主格・属格交替の振る舞いについて,中期韓国語のデータをより詳細に検討する必要性が明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 形容詞を述部とする「が/の」交替に関する認知的考察2006

    • 著者名/発表者名
      小熊 猛
    • 雑誌名

      日本認知言語学会論文集 第6巻

      ページ: 341-350

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 認知モード転換と属格/主格交替-いわゆる他動性制約の反例および認知類型論的示唆-2006

    • 著者名/発表者名
      小熊 猛
    • 雑誌名

      JCLA Conference Handbook(日本認知言語学会第7回大会) 2006

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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