研究概要 |
1 観智院本『類聚名義抄』の掲出字の半分について一字ごとに切り出して画像データベースを作成した。切り出し画像と原典との照合・点検を行い、誤りを修正した。 2 観智院本『類聚名義抄』の掲出字の半分について,すべての所在情報をテキストデータとして入力した。所在情報の入力は、風間書房版と天理善本叢書版とについて行った。諸橋『大漢和辞典』検字番号・UCS番号等の情報は、観智院本『類聚名義抄』の法上の部分を対象として行い、入力の基本方針を固めた。 3 既存の『篆隷万象名義』データベースと図書寮本『類聚名義抄』データベースを点検・校正して,完成度を高めた。 4 原撰本系の図書寮本『類聚名義抄』(法上)に対応する観智院本『類聚名義抄』(法上)を対象として,その漢字字体規範の相違・配列順序の共通点と相違点を調査した。 5 5月に台湾・台北市の台湾大学で開催された国際シンポジウム「比較語彙研究VIII」に出席し、基本漢字集合に関する研究発表を行い、あわせて観智院本『類聚名義抄』の和訓の分析方法に関して、台湾大学・林立萍助理教授と研究打合せを行った。 6 9月に韓国ソウル市で開催された口訣学会国際学術会議「漢文讀法とアジアの文字」に招待されて出席し、研究発表を行うとともに、口訣学会会員との研究打合せ及び関連資料の調査を実施した。 7 10月に中国・杭州市の浙江大学漢語史研究センター主催の国際会議(新世紀漢語研究及び浙江言語学研究の回顧と展望国際フォーラム)に出席し,研究発表を行い、あわせて同センターの方一新教授他と日本資料を用いた漢語史の共同研究に関して研究打合せを行った。口頭発表論文は平成18年度中に浙江大学漢語史研究センターから刊行の予定である。
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