研究概要 |
1 観智院本『類聚名義抄』の掲出字のすべてについて、1字毎に切り出した画像とその所在情報を入力し、掲出字画像データベースを構築して、その漢字字体規範の記述に資する資料を作成した。掲出字数の総数は約42,000字であった。 2 この研究で作成した観智院本『類聚名義抄』掲出字画像データベースと『篆隷万象名義』掲出字画像データベースとを照合して、両者の漢字字体規範を対照できるシステムを構築した。『篆隷万象名義』掲出字画像データベースの修正・整備もあわせて行った。 3観智院本『類聚名義抄』と『篆隷万象名義』の掲出字とを照合・検討して、観智院本『類聚名義抄』の編纂過程の解明を進めた。その結果、『篆隷万象名義』の全掲出字約16,000字のうち、観智院本『類聚名義抄』に存在する掲出字数は約13,000字であり、その採録率は約80パーセントであることが明らかになった。これはこの研究で初めて解明された成果である。 4 漢字字書(画像・文字)データベースの構築手法の開発と意義について、研究成果を発表し、特に情報学関係の研究者との意見交換を行った。 5 韓国と台湾でそれぞれ開催された国際会議において、観智院本『類聚名義抄』データベースとそれを利用した漢字字体の研究について、発表を行った。あわせて意見交換と資料調査を行った。 6 研究成果をまとめ、研究成果報告書を作成し、関連の研究者に配布した。
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