17年度(初年度)は従来の北陸方言関係の研究報告書等を参考に、主に小・中学校の国語科における「共通語と方言」の単元学習や、総合学習における地域学習等で、児童・生徒が自分たちの地域の生活語である方言に対する理解を助け、教師の指導参考書的なものとして、どのような内容を盛り込むべきかについて検討を進めた。 教材作成のための臨地調査は17年度は福井県の武生市(現越前市)、大野市の2地点にとどめた。現在、その資料を整理中であるが、年度初めに予定していた謝金等の支出がないのは、調査終了後まだ時間が経っておらず、アルバイトを雇う段階まで至らなかったためである。このほか、石川県内の2地点(加賀市大聖寺地区と白山市旧鶴来町)で協力者(元教員、現職教員)が得られたので、昨春試作した方言教材の「金沢ことば」版をモデルとして、今年度中に『みんなで学ぼう!大聖寺のことば』『みんなで学ぼう!鶴来のことば』という2冊の方言教材を作成予定であり、今年度の謝金等をそちらの印刷費に充てた。 中でも、石川県内2地点については、この種の方言教材作成にネイティブの協力者、また使用する側の学校の教員の助言も不可欠であることを痛感した。今後さらにまとめる予定の福井県方言の教材、さらに石川県内で作成予定の数地点分の方言教材においても、さらに協力者も得ながら、既存の資料に新たな知見を取り入れる形で、少しでも内容を充実できればと思っている。
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