今年度の研究実施計画は次の3点を挙げていた。それに即して、研究実績の概要を述べる。 (1)テキストの収集の完成 国内は岩手県奥州市後藤新平記念館・斎藤実記念館、福島市福島県立図書館・福島県歴史資料館、防衛省防衛研究所図書館を、台湾は国立中央図書館台湾分館(新店市)にて集中的に資料を収集した。これら調査では課題にかかる文献資料を複写あるいはデジタルカメラで収集すると同時に、一部マイクロフィルムで収集している。本年度のこのテキスト収集により、課題に関する当時編纂されたであろう得られる資料はほぼ収集できたと考えている。また、六角常広氏編纂「中国語教本類集成」等を書籍購入の形で収集することができ補完できたと考えている。 (2)収集資料のデータベース化 補助員の協力などを得ながら、収集済み資料のデータベース化を継続的に行った。また、収集済みのデジタルカメラ資料のプリントアウトの作業も行った。ただし、全資料は膨大な量となっているので、未だ全体をデータベース化できていず、課題として残っている。 (3)文脈付きの用語索引の作成 データベース化した収集済みの資料及び購入した出版物資料を、さらに用語索引を作成していく仕事を課題に挙げたが、一部、『淡水新政記』が完成したところで、来年度に向けて鋭意用語索引化に向けて努力を続けなければ行けないと反省している。(2)と関連しているので、テキストのデータ入力を完備していくことで、自動的に対応できる部分もあると考えている。 成果物としては、初期日本語資料の性格を考える上で比較参考資料として重要となる、台湾総督府編纂教科書関係の論考を著した。
|