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2007 年度 実績報告書

日本語文章史における文字および表記体と文体との相関関係についての記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520305
研究機関大阪府立大学

研究代表者

乾 善彦  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (30193569)

キーワード仮借 / 仮名 / 漢字 / 変体漢文 / 三宝絵 / 略書
研究概要

1、『三宝絵』の3伝本の複写を収集し、表記体と文体の関係を考えるために、3伝本の対照本文を作成し、表記体によってどのような異文が生じており、どういった環境に基づくものなのか、また、その異文がどのような文体差をもたらしているかを調査し、それが漢字片仮名交じりでは漢文訓読的な色彩がより濃く表れていること、平仮名文においても漢文訓読的要素が多くみられるが、そこに和文的要素も比較的よく表れてくること、真名本では両者の中間的なところがあることを確認して、それを3本対照三宝絵として、最終報告書に掲載する。
2、漢字専用文体において表記体の基盤である「仮名」が、どのような環境でどのような文体としてあらわれるのかを考えていう観点から、万葉集と木簡との仮名の機能を考え、そこに位相の違いによる仮名の使用と、それぞれの場における「かな(ひらがな)」への展開を過程を考察することによって、表記体と文体との関係において、位相が深くかかわることを論じて、「仮名の位相と万葉集仮名書歌巻」『万葉集研究29』(塙書房)として発表した。
3、位相における表記体の差異が、古代においてはじつは基底に共通する面のあることを、万葉集における「略書」という高度な表現技法が、漢字による日本語表記の一般的な原則である「経済性」という面では共通するところがあり、位相差がかならずしも文体の方法を規定する原理とかかわらないことをあきらかにして、「略書再考」『国語文字史の研究10』(和泉書院)として発表した。
4、以上の成果を、中国の湖南大学、および広東外語外貿大学において講演の形で発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 仮名の位相と万葉集仮名書歌巻2007

    • 著者名/発表者名
      乾 善彦
    • 雑誌名

      『万葉集研究』(塙書房) 29

      ページ: 185-203

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 略書再考2006

    • 著者名/発表者名
      乾 善彦
    • 雑誌名

      『国語文字史の研究』(和泉書院) 10

      ページ: 41-52

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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