研究課題
基盤研究(C)
本補助金によって実施したアクセント調査は以下のとおりである。1.2005年9月香川県観音寺市、徳島県阿波池田町など、2.2006年3月香川県多度津市、三豊市詫間町、粟島、志々島など、3.2006年8月京都(八幡市)、大阪(岸和田市、豊中市)、4.2006年9月徳島県吉野川流域地域と高知県安芸市、高知市、5.2007年3月香川県伊吹島、観音寺市、愛媛県川之江市。本研究では、典型的な「京阪式アクセント」の観察される地域(京都府八幡市、大阪府岸和田市など)、および明確な「高起式・低起式」の対立がある四国の他地域(安芸市、高知市)においても讃岐諸地域と同様なアクセント資料を収集し、それらを比較・検討することにより讃岐諸方言の音調の顕著な特徴を解明した。その結果、伊吹島を中心とする讃岐諸方言のピッチパターンには以下のような特徴が観察されることが明らかになった。1)伊吹島の「高起式無核」の音調型は他地域のそれと比較し、ほとんど下降しないピッチの高さが音調句末まで持続するという意味において、顕著に特徴的なピッチパターンを描く。(2)伊吹島を除く調査地域ほぼ全般にわたって、いわゆる「高起式無核」型が緩やかなピッチの下降を示す。それは伊吹島の「下降式」の特徴とも多少異なるものである。(3)讃岐式地域では、京阪諸方言でいわゆる「低起式」と呼ばれてきた語彙にも顕著な音声特徴が観察される。すなわち、典型的な低起式音調(大阪・京都などの京阪式アクセント、あるいは伊吹島のそれ)は高起式に比べ、(1)相対的に低く始まり、(2)語句全体の高さも高く、(3)語末にかけて顕著な上昇調のパターンを持つのに対して、讃岐諸地域のそれは(1)低く始まらない場合が多く、(2)語句全体の高さも高いとは限らず、また(3)明確な上昇調のパターンも持っていない。
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