研究概要 |
本年度の研究目的に基づいて、2007年9月4日から9月13日まで、インドネシアのジャカルタ、ジョクジャカルタ、デンパサールに出張し、インドネシアにおける小学校の社会科の教科書を中心に貴重な資料を蒐集した。またジャカルタのインドネシア国立言語研究所、ジョクジャカルタのガジャ・マダ大学、デンパサールのウダヤナ大学のインドネシア語教育センターでそれぞれの研究者と会い、インドネシア語学、インドネシア語教育、日本語を含めた外国語起源の語彙などの研究状況について有益な意見の交換をし、貴重な資料の提供などを受けた。 帰国後、小学校の社会科の教科書の中で教えられている日本語起源の語彙を調査・分析して、その特徴を詳しく検討した。次に以前のカリキュラム(1984年と94年に大幅に改訂)に基づいた社会科の教科書における日本語起源の語彙との比較研究を行い、同国の国民教育省が次世代を担う児童たちに、いかなる日本語起源の語彙を教育しようとしているのかを検討した。その結果、1975年から2007年までの112種類の小学校の社会科の教科書には、98語の日本語起源の語彙が合計2,026回載せられていることを明らかにすることによって新たな知見を加えることができた。 その研究成果を、2007年11月11日に行われた、第38回日本インドネシア学会(於:南山大学)で「インドネシアの小学校の教科書に見られる日本語起源の語彙の比較研究」という題目で研究発表した(次年度の夏までには、その研究成果を論文の形で刊行する予定である)。
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