研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ミニマリスト・プログラムを中心とする生成文法を理論的枠組みとして、機能範疇および付加詞要素が、述語と項からなる核命題内容を表す統語対象から文構造を拡張していくプロセスにおいて果たす諸機能を、統語論・意味論インターフェイスの観点から解明することを目的とした。研究の結果、機能範疇は、その主要部の内在的な統語的・意味的特性を反映して文構造を拡張し、意味解釈も統語的構造拡張、すなわち統語的派生と並行して行われることが明らかとなり、金子(2006)(成果報告書(冊子体)2章)および金子(2007a)(同書3章)において、特に様々タイプの節における時制解釈を例としてこれを示した。また、金子(2008a)(同上書1章)で、付加詞は、最大投射、あるいは中間投射に付加可能であり、項の導入と同様に、Merge操作によって導入されるが、これはChomsky(1995)の最小句構造理論の帰結として、すべての事例が、Merge適用時点では「最大投射」を標的とする操作として統一的に分析できることを示した。また、金子(2006)および金子(2008b)(同上書4章)において、付加詞とその修飾対象(特に機能範疇主要部)は、一定の統語関係と局所性に基づいて関係づけられることを示した。さらに、金子(2007b)(同上書5章)では、英語の埋め込み現象による文構造拡張現象と、機能範疇による省略現象の認可現象に対する現行の学習英文法での取り扱いの問題点を指摘し、構成素の概念の導入、X 理論の基本的概念の導入、文法関係と範疇の峻別等々が不可欠であることを論じた。
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東北大学文学研究科研究年報 57号
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言語研究の現在- 形式と意味のインターフェース
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The Annual Reports of Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University Vol. 57
The State of the Art in Linguistic Research: The Interface of Form and Meaning
英文法研究と学習文法のインターフェイス
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東北大学文学研究科研究年報 56号
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The Annual Reports of Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University Vol. 56
The Interface between Theoretical Research of English and Educational Grammar
東北大学文学研究科研究年報 55号
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The Annual Reports of Graduate School of Arts and Letters, Tohoku University Vol.55