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2006 年度 実績報告書

音韻獲得における「普遍性」と「変異性」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520320
研究機関東京農工大学

研究代表者

都田 青子  東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (90256024)

キーワード初期音韻獲得 / 有標性 / 変異性
研究概要

英語及び日本語の初期音韻獲得のデータについての比較研究を通し、通言語的な「有標性」及び個別言語的な「有標性」について調査し、最終的には言語の「普遍性」と「変異性」についての理解を深めることが研究の目的である。
正常発達児の初期音韻データの分析から、子供たちの韻律構造の変遷は1モーラ期を経るのではなく、初期段階から2モーラ韻律構造が音韻知識として備わっている可能性が大きいことが昨年度までの成果結果から示唆された。今年度も韻律構造に着目し、データをさらに詳細に調べてみたところ、単に2モーラという構造だけでは初期音韻獲得のデータをうまく捉えることができないことが明らかとなった。たしかに2モーラが無標音韻構造として重要な役割を果たしていることは事実である。しかし、収集したデータ内の子供たちのスピーチエラーを調べてみたところ、1モーラ+1モーラの構造を持つ語彙項目が2モーラ+1モーラとして発話される例(baka>kaata‘ばか')なども観察されていることから、重音節+軽音節の組み合わせが無標語形として何らかの普遍的な役割を果たしている可能性もある。スペイン語でも同様に重音節+軽音節(heavy+light)が好まれる傾向にあるという報告もされており(Lleo & Arias 2005)、今後普遍的な観点からさらに追究していく必要がある。
この研究成果はクロアチア及びドイツで開催された2つの国際学会において発表し、さらには日本コミュニケーション障害学会(大阪市立大学)及び上智大学言語聴覚研究センター主催のシンポジウム(上智大学)に講演講師として招かれた際にも一部発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Markedness and language acquisition : a focus on syllable structure2006

    • 著者名/発表者名
      Haruko Miyakoda
    • 雑誌名

      Linguistik International 16

      ページ: 203-211

  • [雑誌論文] Markedness and consonant substitution errors in Japanese2006

    • 著者名/発表者名
      Haruko Miyakoda
    • 雑誌名

      Linguistik International : Festshcrift fur Heinrich Weber

      ページ: 303-319

  • [雑誌論文] Underspecification revisited : a focus on vowel substitutions2006

    • 著者名/発表者名
      Haruko Miyakoda
    • 雑誌名

      The Tsuda Review 51

      ページ: 57-77

  • [雑誌論文] Phonological processes of Japanese based on the theory of PHB2006

    • 著者名/発表者名
      Yishai Tobin, Haruko Miyakoda
    • 雑誌名

      Advances in functional linguistics

      ページ: 87-105

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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