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2007 年度 実績報告書

英語所有格形の統語構造と意味論および語用論に関する共時的・通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520323
研究機関名古屋大学

研究代表者

天野 政千代  名古屋大学, 文学研究科, 教授 (80116524)

キーワード所有格 / 属格 / DP分析 / 複合語分析 / 前位限定詞 / 後位限定詞 / 限定詞 / 有生性条件
研究概要

平成19年度は本研究の最終年度になるので、英語所有格の共時的・通時的特徴を総合的にまとめる方向で研究を進めてきた。一般的に言われているのとは異なり、Abney(1987)で提唱されたDP分析だけでは英語の所有格形を扱うことはできず、Taylor(1996)等で提案された複合語分析も必要であることには疑いの余地がない。しかも、歴史的に見るならば、複合語分析を必要とする所有格形表現の数は増加傾向にあり、平成17年度以降のアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスにおけるアンケート調査の数値はその事実を見事に裏付けている。もう1つの興味深い変化は有生性条件にあり、ジャーナリズム英語を中心にこの条件は消滅の方向に向かっている。この傾向はジャーナリズム英語以外にも現れ始めており、そうした有生性条件に違反した表現の多くはDP分析よりも複合語分析を要求している。この有生性条件と複合語分析との相互関係を実証的に証明したのは本研究が初めてであり、そういう意味でも共時的研究と通時的研究の自然な融合は極めて重要である。有生性条件は語用論的条件であり、その条件の変化が統語構造にも影響を及ぼしていると考えられる。この点はまだ十分に立証されたとは言いがたいが、可能性は非常に高い。他方では限定詞という範疇が現代英語で強化されつつあることも事実で、bothとallは前位限定詞から限定詞に変化しており、限定詞という統語範疇が現代英語で大きな理論的地位を獲得しつつあり、DP分析の重要性を示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Number Agreement in There-Constructions2007

    • 著者名/発表者名
      天野政千代
    • 雑誌名

      English Grammar

      ページ: 254-265

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two Types of Grammaticalization: Restrictions on Glasses of Grammaticalization2007

    • 著者名/発表者名
      天野政千代
    • 雑誌名

      Language and Beyond

      ページ: 127-148

  • [雑誌論文] On the Grammatical Reorganization of Both, All and Half2007

    • 著者名/発表者名
      天野政千代
    • 雑誌名

      Exploring the Universe of Language

      ページ: 21-33

    • 査読あり
  • [学会発表] A Shaper and Broader Definition of Grammaticalization2007

    • 著者名/発表者名
      天野政千代
    • 学会等名
      The Society of Historical Language and Linguistics
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-09-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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