研究課題
言語における移動現象のうち、WH移動(疑問文、関係節、話題化構文などにける移動)のトップダウン式再構築現象について、特に、主語名詞句内の要素が疑問詞あるいは話題要素として文頭の位置へ移動する現象についてトップダウン式の派生を仮定することで、従来捉えられてきた主語条件という現象をより一般的な介在現象のひとつとして捉えることができるという趣旨の論文にまとめ、最近のこの分野の研究についての問題点を指摘した。トップダウン式の派生にもとづいて様々な構文、特に使役構文を捉えなおす可能性について研究を行い、それをまとめたものが論文として出版予定となっている。再構築効果についてこの論文の中で考察している。さらに、削除構文と再構築との関連についても研究を進めているところである。特に、動詞句の削除に関わる構文において、削除に含まれなかった箇所が再構築効果を示す現象について先行研究をまとめ、代案を提示するためにデータを収集した。今後も再構築現象について課題となっている問題を追求し、トップダウン式の構造構築を支持するべくさらなる研究を行う。そのためには、データの収集が何よりも重要であることを再認識したため、さまざまな再構築構文の言語事実とそれに関する先行研究の整理、および、最新のChomsky理論の動向を把握するため、国内外の学会に参加し、入手が難しい資料を多く収集した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件)
Exploring the Universe of Language : A Festschrift for Dr. Hirozo Nakano on the Occasion of His Seventieth Birthday (ed. by Masachiyo Amano et al.) (Nagoya University) (英潮社、東京)
ページ: 389-404